結婚式の親族の服装|60代女性が手持ちの黒とスーツで行く方法

60代女性にふさわしい服装スタイルと選び方

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この記事のまとめ

クローゼットを開けて、弔事で着てきた黒いフォーマルの前で手が止まる。姪や孫の結婚式に親族として招かれた60代の女性が、まずぶつかるのがここです。結婚式の服装は、親族として出る60代にとって、買うかどうかより先に「持っている1着で行けるか」の問題なんですよね。

答えを先にお伝えすると、その黒は着られます。婦人フォーマルの専業メーカーは、ブラックフォーマルはもともと慶弔の両方に着られるものとして作られた、と公式に答えています。避けるかどうかではなく、どこを足して慶事の側へ寄せるかが分かれ目です。

この記事では、立場ごとの格の上限と、手持ちの1着が使えるかの判定を表にまとめました。読み終えるころには、クローゼットの前で今日じゅうに答えを出せます。

目次

60代の親族は式ごとに立場と格の上限が変わる

60代の親族は式ごとに立場と格の上限が変わる
60代の親族は式ごとに立場と格の上限が変わる

60代の女性が親族として結婚式に出るとき、まず決めるのは服そのものではなく、その式で自分がどの立場に立つかです。娘や息子の式なら母親、姪や甥の式なら叔母、孫の式なら祖母。同じ60代でも立場が変わると、着てよい服の上限が変わります。

先に結論を書くと、母親なら正礼装、それ以外の立場なら準礼装が目安です。

親族はゲストを迎える側に回る

親族の服装がゲストと違うのは、迎える側に回るからです。ゼクシィで親族の服装マナーを監修している現代礼法研究所主宰の岩下宣子氏は、家族・親族を「新郎新婦と共にもてなす側」と説明しています。そのうえで、お祝いの場らしい華やかさよりも、きちんとした印象でゲストに失礼のない装いを先に置いています。

60代なら、受付に立つ人に挨拶をしたり、相手方のご親族と顔を合わせたりする場面もありますよね。座って過ごすだけの席ではない、と考えておくと選び方が変わってきます。

もうひとつ大きいのが、新郎新婦との関係が近いほど格が上がるという順番です。同じ親族でも、母親といとこでは求められる装いが違います。この順番こそが、立場ごとの上限を決める土台になっているんですね。

母・叔母・祖母で格の上限が動く

60代の女性が立つ可能性のある立場は、大きく分けて母親・叔母・祖母の3つで、格の高さもこの順に近い並びになります。同じ人が、娘の式では母親、その2年後には姪の式で叔母、という具合に行ったり来たりするのが60代です。

立場格の目安洋装の例根拠
新郎新婦の母正礼装昼はアフタヌーンドレス。ロングスカートに七分丈より長い袖のワンピースゼクシィ(監修:岩下宣子氏)「父母は…正礼装を身に着けるのが基本」
叔母・伯母、いとこ、きょうだい準礼装〜略礼装ミディ丈のフォーマルワンピース、セットアップ、フォーマルスーツゼクシィ「おじ・おば・いとこもホスト側の立場…兄弟と同じく準礼装、略礼装がマナー」
祖母媒体で見解が分かれる。両親より控えめに、が共通フォーマルドレスかスーツ。和装なら母親より紋の数を控える日本フォーマル協会の有資格者による解説「孫が結婚する立場の方々は…両親よりも少し控えめな服装を意識」

表の右端がばらついているのは、祖母の扱いだけが媒体によって分かれているからです(詳しくは孫の結婚式に祖母として出るときは何を着るか)。祖母の立場になりそうな方は、両親より控えめにという一点だけ押さえておけば大丈夫ですよ。

ご自身が新郎新婦の母として出る場合は、格がひとつ上がって装いも変わります。マザードレスのマナー|両家で揃える格と昼夜の違いにまとめています。

親族の目安は準礼装。業界団体もそう答えている

母親以外の立場なら、セミフォーマル、つまり準礼装を目安にしておけば大きくは外れません。フォーマルウェアの業界団体である一般社団法人日本フォーマル協会は、公式サイトの質問集で「ご親族の結婚式に招待されたら?」という問いに答えています。主催者に近しい立場だからかなり改まった服装を心がけ、時間帯と会場に合わせてアフタヌーンドレスやディナードレスなどの準礼装がふさわしい、という内容でした。

準礼装が具体的に何を指すのかも、同じ協会の資格を持つ人の解説で確認できました。日本フォーマル協会のフォーマルスペシャリストゴールドライセンスを持つバイヤーの谷本つくし氏は、女性の準礼装の基準をセミアフタヌーンドレス・カクテルドレス・セレモニースーツの3つとし、適したシーンに結婚式を挙げています。

ここでセレモニースーツが入っているのが、60代にはうれしいところ。お子さんの入学式や卒業式で買ったスーツが、格の上では結婚式と同じ段にあるということです。

ひとつ補足しておくと、この呼び名は業界内でも割れています。協会は親族を準礼装と答えている一方、フォーマルメーカーの東京ソワールは同じ場面を昼の正礼装スタイルと書いていました。

ゲストとの関係のほうは、媒体によって言い方が変わりました。ゼクシィと結婚スタイルマガジンは、親族をゲストよりフォーマル度高めとしています。

一方でマイナビウエディングPRESSは「親族は一般ゲストよりも控えめの服装をするのがマナーといわれますが、あまり神経質になる必要はありません」と書いています。

どちらの言い方でも、やることは同じです。新郎新婦のお母さまより一段控えめに収める。ここを押さえておけば、まず外れません

正礼装・準礼装・略礼装という言葉そのものがぴんとこないときは、フォーマルとは?正礼装・準礼装・略礼装の違いと着用シーンで整理しています。

上限は新郎新婦の母に合わせて決まる

準礼装が目安と分かっても、上限はご自身では決められません。決まるのは、新郎新婦のお母さまが何を着るかが分かってからです。結婚スタイルマガジンは、おじ・おばが気をつけたい点として、両親が準礼装のときに自分が正礼装を着ていくと気まずい空気になるかもしれない、と書いています。

両家でそろえる、という話もよく出てきますよね。ゼクシィ(監修:岩下宣子氏)は、格が同等であれば洋装でも和装でも問題ないとしています。新婦側が和装で新郎側が洋装でも、どちらも正礼装なら並んだときにちぐはぐにはなりません。

すり合わせる相手も決まっています。マイナビウエディングPRESSは、格を合わせるために新郎新婦が間に立って両家の親の服装を調整することが大切だ、としています。叔母や祖母の立場なら、新郎新婦かご自身のきょうだいに「お母さんは和装?洋装?」と一言聞いておくのがいちばん早いです。

クローゼットのフォーマルが親族の式で使えるか

クローゼットのフォーマルが親族の式で使えるか
クローゼットのフォーマルが親族の式で使えるか

親族の結婚式に着ていく服は、新しく買わなくても手持ちで足りることがよくあります。60代のクローゼットには、弔事で着てきたブラックフォーマル、お子さんの入学式で買ったセレモニースーツ、数年前のお呼ばれドレスあたりが眠っているはず。このうち何着かは、足すものを決めれば親族の席に出られます。

いちばん引っかかるのは黒ですよね。ここは見解が分かれるところなので、メーカーの公式回答から順に見ていきましょう。

弔事で着てきた黒は着られないわけではない

手持ちのブラックフォーマルは、結婚式に着ていけます。婦人フォーマルウェアの専業メーカーである東京ソワールは、公式サイトの質問集で「喪服・礼服は結婚式・お祝いの席で着用できますか?」という問いに、ブラックフォーマルは元々慶弔両方に着用いただけるドレスとして開発されたので着用できると答えています。そのうえで、ネックレスやコサージュ、バッグ、靴などで華やかになるようコーディネートしましょう、と続けていました。

意外に思われるかもしれませんね。同社は事業内容が婦人フォーマルウェアの製造・販売そのものという専業メーカーで、今の日本のブラックフォーマルが生まれた1965年当時から作り続けてきた、と自社で説明しています。つまり作り手の立場からの回答です。

ただ、同じ会社が別のコラムにはそのままブラックフォーマルを着ると喪服感が強く出てしまうことがあるとも書き添えていました。フォーマルの有資格者による解説も、全身真っ黒のコーディネートを喪服を連想させる装いとして避けるようすすめています。

さらに反対側もあります。スーツの専門店には、お葬式専用として売られている光沢のない漆黒の喪服を慶事に着るのは基本的には避けるべき、と書いているところもありました。

正反対のことを言っているようで、2つの説明が指しているのは同じところ。黒いフォーマルは黒のままだと弔事の側に見える。だから使えないと切り捨てるか、足して慶事の側へ寄せるかの違いです。

捨てずに寄せるほうが、60代には現実的です。買い足すのはジャケットか小物だけで済み、手持ちのフォーマルもそのまま弔事で使い続けられます。

喪服らしさは黒の濃さと装飾の少なさに出る

手持ちの黒がどのくらい弔事寄りかは、黒の濃さと装飾の少なさの2か所を見れば見当がつきますよ。東京ソワールは、喪のシーンで着る想定のフォーマルウェアは普段着の黒より濃く染めていることが多いと説明しています。同社は良し悪しの見分け方として、濃染加工がされているかを挙げていました。

手持ちの黒い服を2着並べてみると分かりやすいですよ。片方だけ極端に深い黒に見えるなら、そちらが弔事用に染められたものである可能性が高いところです。

デザインの側にも手がかりがあります。同社がブラックフォーマルを作るときの基準は次の4つ。

  • 全身が黒一色であること
  • 襟ぐりが浅く、肘とひざが隠れること
  • 光るボタンや光沢の強い生地といった華美な要素がないこと
  • 体のラインが出すぎないこと

この条件をきれいに満たしているほど、装飾がないぶんそのままだと喪服の印象が出やすい1着だと考えておくとよさそうです。

気をつけたいのは、レースがあるから慶事向き、とは言い切れないところ。同社は、ブラックフォーマルとして作られたレースのものは透けないよう裏打ちがされているので葬儀でも着用できる、と答えています。装飾の有無だけでは決まりません

判断に迷ったら、このあとの足し算をしておけば結果は同じです。

黒を慶事の側へ寄せる3つの手当て

黒を慶事の側へ寄せる方法は、東京ソワールが3点にまとめて公開しています。同社が卒業式・入学式向けに書いているものですが、結婚式でもそのまま使えます。

古いデザインのブラックフォーマルを避けること、喪服ではないフォーマルジャケットを合わせること、アクセサリーで華やかさを足すこと。この3つです。

手当て具体的にすることメーカーの説明
古いデザインを外す厚みのある生地でいかにも喪服に見える1着は、この機会に外す以前は厚みのある素材で作られていて喪服の印象が強く出ていたが、今は柔らかく着やすい素材に変わり、デザインの幅も広がっている
ジャケットを替えるツイードなど喪服ではないフォーマルジャケットを買い足し、手持ちの黒いワンピースに合わせる一気に華やかな印象になり、喪服っぽく見られる心配もない。ワンピースの襟元のデザインを見ながらジャケットを選ぶ
アクセサリーを足すコサージュ、パールのネックレス、フォーマルバッグを合わせるコサージュはお祝いの気持ちを表すもの。鎖骨あたりの高い位置につけると華やかさが出る。左胸につける人が多い

いちばん手軽なのは3つめですが、効き目が大きいのは2つめです。上半身が黒以外に替わるだけで、写真に写ったときの印象がはっきり変わります。

コサージュを使うなら、前日のうちにジャケットにつけておくのがおすすめです。当日の朝に位置を決めようとすると、鏡の前で意外と時間を取られてしまいます。

ちなみに、フォーマルジャケットに黒いスカートというあの組み合わせは日本独特のもので、東京ソワールによれば留袖の代わりとして生まれたスタイルだそうです。喪服に見えるのではと構える必要はなくて、もともと慶事の装いとして作られた形なんですね。

入学式のセレモニースーツは色で決まる

お子さんの入学式や卒業式で買ったセレモニースーツは、格の上では親族の結婚式に着ていけます。前章のとおり、フォーマル協会の有資格者が準礼装の基準に挙げている3つのうちの1つだからです。

問題になるのは格ではなく色のほうです。入学式向けのスーツは、明るいベージュやライトグレーが多いですよね。淡い色は写真で白っぽく見えることがあり、花嫁の白と重なってしまいます(詳しくはベージュとシルバーを60代に勧めない理由)。

手持ちのセレモニースーツが濃紺やチャコールなら、そのままで親族の席に出られます。明るい色なら、濃い色のワンピースを中に着てジャケットだけ替えるか、この1着は見送るか。ここは無理をしないほうが安心です。

仕事で着ている黒いスーツはまた別です。ビジネス用の黒は少しグレーがかっていて生地に光沢があり、体にぴったり合うシルエットで作られているので、フォーマルの列に並ぶと質感の差が出てしまいます。

数年前のドレスは年数でなく状態で見る

数年前に買ったお呼ばれドレスは、何年前かではなく今どういう状態かで決めます。年数の基準を示した公式の説明はありません。判断するのは状態のほうです。

谷本氏は、生地に毛玉やくたびれた様子がないか、形が崩れていないか、服や小物の状態にも注意を払うこととし、あわせてサイズ感も大切なポイントだと書いています。60代は数年で体型が変わることもありますから、ファスナーが上がるかどうかだけでなく、肩と二の腕まわりが窮屈でないかまで見ておくと安心です。

黒いドレスには、もうひとつ見るところが。東京ソワールは、蛍光灯や日光の影響で退色や変色が起きる場合があるとして、ビニールカバーを外して風通しのよい湿気の少ない状態で保つようすすめています。色が変わっていないかは、明るいところで一度広げて確かめておくと見落としが減ります。

クローゼットから出して、毛玉・形崩れ・サイズ・色あせの4つを見る。ここを通れば、そのドレスで大丈夫です。

クローゼットの1着 判定表

ここまでの判断を、手持ちの服ごとに1枚にまとめました。持っているものを左の列から探して、右へ読んでいけば、その1着で出られるかどうかが決まります。

持っているものそのまま出られるか寄せ方見分ける手がかり
弔事で着てきたブラックフォーマル足せば出られる喪服ではないジャケットに替える。コサージュとパールを足す普段着の黒より深い黒。装飾がなく体のラインが出ない形
慶弔兼用として買ったもの足せば出られる同上。アクセサリーだけでも整うことが多いレースがあっても弔事用のことがある。売場の表示ではなく、黒の濃さで見る
入学式・卒業式のセレモニースーツ色が濃ければ出られる明るい色ならジャケットだけ替えるか、中を濃い色にするライトベージュ・パステル・シルバーは写真で白く見える
仕事用の黒いスーツ難しいフォーマル素材の1着に替える。手持ちで通すなら他を優先する黒がややグレーがかり、生地に光沢がある。体に沿ったシルエット
数年前のお呼ばれドレス状態がよければ出られる丈と袖が足りなければ羽織りを足す毛玉・形崩れ・サイズ・色あせの4つを明るいところで確認
黒留袖・色留袖・訪問着立場によって出られる母親より格を上げない。祖母なら紋の数を控える紋の数が多いほど格が高い。両家で事前にすり合わせる

「慶弔兼用」という言葉を頼りに売場を探すと、かえって迷うかもしれません。2026年9月時点では、大手メーカーの直営ブランドのブラックフォーマル売場でこの表記自体が使われていないことがあります。札の言葉ではなく、生地の黒さと装飾の有無で見るほうが確かです

和装を選ぶなら、洋装で同じ格を出す方法もあります。留袖ドレスとは?2つの意味と黒留袖の代わりになる洋装の選び方で整理しています。

60代の結婚式の服装は濃い色に寄せて顔まわりで戻す

60代の結婚式の服装は濃い色に寄せて顔まわりで戻す
60代の結婚式の服装は濃い色に寄せて顔まわりで戻す

60代の親族が色で迷ったら、服は濃い色に寄せて、明るさは顔まわりの小物で戻すのがいちばん失敗しません。親族席は集合写真に入る場面が多く、淡い色は写真で白く見えてしまうことがあるからです。

ただ、濃い色だけで固めると今度は沈んで見えます。どこで戻すかまでを一続きに決めておきましょう。

ネイビー・深いグリーン・黒が決めやすい

迷ったときに外れにくいのは、ネイビー、深いグリーン、黒の3色です。フォーマルの有資格者である谷本つくし氏も、親族の女性に合う色としてネイビー・ブラック・ダークグリーンなど深みのある色を挙げています。ボルドーのような深い赤も、同じ考え方で選べます。

60代なら素材のほうも見ておきたいところ。東京ソワールがフォーマルな素材として挙げているのはトリアセテート・レーヨン・シルクで、綿・麻・ニットはカジュアルな印象になりやすいとしています。張りのある生地のほうが体の線を拾いにくいので、迷ったらそちらへ寄せておくと安心です。

黒はどうかというと、黒いドレスそのものが避けるべき色というわけではありません。東京ソワールも、花嫁と同じ白は避けるとしたうえで黒はNGではないとはっきり答えていて、デザインやアクセサリーで華やかな雰囲気を心がけることが望まれる、と続けています。問題は色ではなく、華やぎがゼロになることのほうです。

実際に着た姿を見てから決めたい方は、60代女性に似合う結婚式ドレスの画像|体型カバーと格別コーデに写真をまとめています。

ベージュとシルバーを60代に勧めない理由

60代向けの記事でよく出てくるベージュとシルバーグレーは、親族の席ではおすすめしにくい色です。理由は似合う似合わないではなく、写真です。フォーマルの有資格者である谷本つくし氏は、ライトベージュやパステルイエロー、シルバーは光の加減や遠目から見たとき、写真に撮ったときに白っぽく見えることがあるので避けるほうが無難だとしています。

結婚スタイルマガジンも同じ注意をしていました。ベージュやゴールドを選ぶ場合も光の加減で白く見えることがあるとしたうえで、白く見えてしまう場合はネイビーや黒など濃い色の羽織物を上に着て調節するとよいと、逃げ道まで書いてくれています。

一方でフォーマルメーカーの東京ソワールは、ベージュのジャケットはフォーマルの席に着用できると答えています。見解が分かれているように見えますが、着てよいかどうかと、写真でどう写るかは別の話です。

親族は集合写真に入る場面が多い立場ですから、当メディアは濃い色をおすすめします。手持ちがベージュしかないときは、上の羽織りで濃い色を重ねるやり方が使えますよ。

顔まわりの明るさはコサージュとパールで作る

濃い色に寄せたぶんの明るさは、顔まわりの小物で戻します。コサージュは、東京ソワールが顔周りも明るくなる効果があると説明しているとおり、いちばん手数が少ない足し算です。

ネックレスはパールが定番です。昼の装いにはパールのネックレスがすすめられていて、ロングタイプや二連タイプ、控えめなクリスタル使いのものも合わせられるとされています。首もとが寂しく感じるときは、長さの違うものを試してみてください。

バッグの色も効きます。同社は、黒でも問題ないとしたうえで、カラーのバッグならさらに明るさを演出してくれると書いています。手持ちのフォーマルバッグが黒しかないなら、コサージュの色をはっきりしたものにしてみてください。

襟の形でも顔まわりは変わります。東京ソワールが70代・80代向けに挙げているポイントですが、立ち襟やフリル襟のようなデザイン襟は顔まわりを華やかに見せてくれるそうで、60代の1着選びにもそのまま使える視点です。

親族席はどうしても暗い色が並びます。羽織りやバッグに1点だけ明るい色を入れておくと、写真の中で沈まずにすみますよ。

気にしすぎなくてよいと公式が答えているもの

ネットでNGと書かれがちなものの中には、メーカーが問題ないと答えているものがあります。判断に迷って買い足しが増えてしまう前に、この線引きを見ておきましょう。

東京ソワールは、そもそもの読み方についてこう書いています。メディアで言われるフォーマルのルールは10年以上変わりがないことが多く、ルールには変わらないものと変わるものがあるので、情報を鵜呑みにせず、どうしてダメなのか理由を確かめておくことが大切だと。式の規模や参列者の顔ぶれでもマナーは変わる、とも添えています。

迷いやすいもの東京ソワールの回答
上下で色が違うバイカラーのドレス着用は失礼にあたらない。以前から上下の素材に違いのあるドレスは人気がある
トップスがブラウス1枚フォーマルの場にふさわしい素材で、アクセサリーで華やかに装えば着用できる
靴の細かい形一般的な結婚式の場合、特に決まりはない。ドレスとの相性で選ぶ

黒いドレスも同じ扱いで、前に見たとおりNGではありません。もちろん、式の顔ぶれによって気にする方はいます。両家の年配のご親族が多い席なら、迷ったほうを避けておくのが無難でしょう。

ただ、覚えておくと役に立つのは、ここに挙げたものはどれも守らないと失礼になるという性質のものではないということ。手持ちがこれに当てはまるからと買い直す必要はありません。

丈と袖と靴は1日もつかどうかで決める

丈と袖と靴は1日もつかどうかで決める
丈と袖と靴は1日もつかどうかで決める

丈も袖も靴も、格の話に見えて、実は当日の動作で決まります。結婚式は着替えから帰宅まで1日仕事ですし、親族は立ったり座ったり、人に挨拶したりと動く場面が多い立場だからです。

試着室で確かめるべきことは、実はそんなに多くありません。座る、腕を上げる、少し歩く。この3つで決まります。

確かめる動作見る場所通ればOKの目安
座るスカートの丈座った状態でひざが隠れている
腕を上げる肩と二の腕生地が突っ張らず、肩先が出ない
少し歩く靴の高さと裾裾を踏まず、その高さで歩き続けられる

丈はひざが隠れてからくるぶしまでの間

スカート丈は、ひざが隠れる長さからくるぶしまでの間に収めておけば大丈夫です。東京ソワールはこの範囲をすすめていて、あわせて男性がモーニングコートやタキシードを着るような正礼装の席では丈は長いほど格が高いとされる、と説明しています。

年齢との関係も見ておきましょう。着物の専門店の解説では、フォーマルな洋装は丈の長さで決まるとも言われ、年齢を重ねるごとにスカート丈を長くするのが上品さにつながると考えられています。年配の方のフォーマルドレスにくるぶし丈が多いのは、そのためです。

手持ちで判断するなら、鏡の前で立って測るより座ってひざが隠れているかを見るほうが確かです。披露宴の大半は着席していますし、親族席は正面から見られる位置にあります。

体型のカバーまで含めて丈を決めたい方は、60代の結婚式服装マナー|ぽっちゃり体型をカバーして細見えする秘訣で部位ごとに整理しています。

袖は肩先が隠れているかで見る

袖で見るのは長さそのものより、肩先が隠れているかどうかです。東京ソワールは、ノースリーブのワンピースについて、結婚式に参列する場合は肩先を隠した装いがふさわしいとして、ストールやボレロ、ジャケットを用意しましょうと答えています。

つまり袖なしの1着でも、羽織りとセットにすれば親族の席に出られます。手持ちのドレスに袖がないからと諦める必要はありません。

袖のある1着なら、試着のときに腕を上げてみて、肩と二の腕が窮屈でないかを見ておきましょう。乾杯や集合写真で腕を動かす場面があるので、そこで生地が突っ張ると1日じゅう気になります。

羽織りの種類は、親族ならボレロよりジャケットのほうがフォーマル感が出るとすすめられています。60代に合わせやすいのは、丈のあるジャケット。二の腕まわりも落ち着いて見えます。

着物の専門店は、年齢を重ねるごとに袖丈も長くする傾向があるとしています。当メディアとしておすすめするのは五分袖から長袖のあたり。この範囲なら、写真に写ったときの印象もまとまりますよ。

靴は歩ける高さを先に決める

靴は、当日そのまま歩ける高さかどうかを先に決めます。細かい形に決まりがないことは前の表のとおりで、高さについても縛る決まりはありません。

つまり、高さは自分の足に合わせて決めて構いません。60代で足に不安があるなら、履き慣れた高さのままで大丈夫です。

親族は移動が多い立場です。集合写真、送迎、控室と会場の往復。思っているより歩く前提で、履き慣れた高さを選んでおくと、後半で表情がこわばらずにすみます。

東京ソワールが70代・80代向けに挙げている注意も参考になりますよ。スカート丈が長すぎると裾を踏んだり何かに引っかけたりすることがあるので、履き慣れた靴を選ぶのもひとつの方法だとしています。長い丈を選ぶときは、靴の高さとセットで決めましょう。

着脱のしやすさや体の負担まで含めて選びたい方は、シニア向け結婚式の服装選び|着脱しやすいの正礼装と失敗しない小物マナーにまとめています。

ストッキングとバッグは当日の動きで選ぶ

ストッキングは素足を避けること、バッグは小ぶりのものを持つことが定番です。東京ソワールは、フォーマルの場面では小ぶりのバッグであるほどフォーマル度が増すと説明しています。

色に迷う方が多いのですが、同社は結婚式のストッキングについて特に決まりはなく黒でも問題ないと答えていて、全体のトーンでバランスのよい色を選ぶようすすめています。気にする方がいる席なら肌色にしておけば無難です。厚手のタイツはカジュアルに見えるので、そちらは別と考えてくださいね。

ただ、親族は荷物が増えやすい立場でもあります。ご祝儀を包む袱紗、予備のストッキング、当日渡すもの。小ぶりのバッグに入りきらない分は、口の閉まるサブバッグに入れてクロークへ預けておきましょう。

アクセサリーは前に見たとおりパールが定番。業界団体の日本フォーマル協会は、イミテーションに見えるものは避けたほうが無難だとも書き添えています。

夏と冬で足すもの

季節で変えるのは服そのものではなく、上に足す1枚です。袖のないドレスを着るなら肩先を隠す条件は年間を通して変わらないので、夏でも羽織りが1枚要ります。

夏の式なら、薄手のストールやレースのボレロを合わせておくと、挙式のあいだだけ肩を覆って、あとは手元に置いておけます。会場の冷房が強いこともあるので、暑さ対策というより冷え対策として持っておくと安心です。

冬は、会場に着くまでの防寒はコートで足して、クロークに預けます。脚もとの冷えが気になるなら、パンツスタイルという手もありますよ。

同社が70代・80代向けに挙げている冷え対策も実用的で、ストールやショールに加えてひざ掛けを1枚用意しておくと安心だとしています。着席の時間が長い親族席とは相性のよい持ち物です。

足すものを決めておけば、季節が変わっても同じ1着で通せます。手持ちを長く使うという意味でも、羽織りにお金をかけるほうが結果的に得だと思いますよ。

親族の服装は手持ち・買う・借りるのどれにするか

親族の服装は手持ち・買う・借りるのどれにするか
親族の服装は手持ち・買う・借りるのどれにするか

手持ちで足りないと分かったら、次は買うか借りるかです。判断の軸はひとつで、その1着をこれから何回着るか。60代の親族の式は数年に一度という方も多く、出番の間隔が空きやすいところが判断を分けます。

借りるほうを選ぶ場合は、お店選びで気をつけたい点があります。同じ「親族向け」でも価格帯がまるで違うことがあるからです。

これから何回着るかで決まる

当メディアの目安は、今後3年で2回以上出番がありそうなら買う、1回きりなら借りる。姪や甥が続けて結婚する時期に入っているなら買うほうが計算に合いますし、そうでなければ1回のために保管の手間まで引き受けることになってしまいますよね。

買えば保管の手間もついてきます。前に見た色あせの確認を、次の出番のたびにやることになるからです。

もうひとつ、体型の変化もあります。今ぴったりの1着が3年後も同じように着られるとはかぎりません。次の出番がはっきり見えていないなら、そのつど借りるほうが結果的に無駄がないと思いますよ。

借りるなら立場に合う棚を選ぶ

レンタルのお店は、ゲスト向け・母親や親族向け・花嫁向けの3つに分かれていて、店名や看板では見分けがつきません。当メディアが2026年8月に都市部4店の公式サイトを1件ずつ確かめたところ、同じ地域でもゲスト向けと母親・親族向けで料金が3倍から10倍以上ひらいていました

60代の親族というだけで「親族向け」の棚に行くと、必要以上の価格帯に入ってしまうことがあります。母親の立場なら正礼装の棚が要りますが、叔母や祖母の立場は準礼装ですから、ゲスト向けの棚で条件を満たす1着が見つかることも多いんです。

見分け方は、公式サイトの取扱商品を読むこと。当メディアとしては、留袖やモーニングが並んでいれば母親・親族向け、ウェディングドレスが中心なら花嫁向け、と見ています。行く前に一度開いておくと、時間の無駄がありません。

表示価格は借りられる日数とセットで見る

レンタルの料金は、表示価格と借りられる日数をセットで見ないと比べられません。実店舗のレンタルは1泊から3泊が中心で、ネットのレンタルは3泊4日から7泊8日というのが2026年8月時点の目安でした。金額だけを並べると、同じ土俵に乗っていない比較になってしまいます。

60代の親族にとって、日数の余裕は思ったより効きます。届いたその日に試着して、丈と袖を確かめて、必要なら羽織りを買い足す。この時間があるかどうかで、当日の落ち着きが変わります。

参考までに、エアクロドレスの条件をまとめました。いずれも2026年9月時点のものです。

  • 料金は4,980円から、レンタル期間は7泊8日から。開始日は受け取る予定日、終了日は返却の手続きをする期限日
  • スペア対象商品なら、予備を1着まで無料。サイズや色みが合わなかったときに、その場で切り替えられる
  • 返却は全国のセブン-イレブンとファミリーマートから24時間。洗濯やクリーニングは不要
  • 通常のクリーニングで落ちる汚れや直せるキズなら、追加料金はかからない。修繕できない破損や紛失は別
  • キャンセルは発送日の前日まで無料。発送日は地域によるが受け取り予定日の3日前が目安
  • 延滞は1日につきレンタル料金1日分の150%。期間の延長は受け付けていない

式まで何日あるかで手段が絞れる

式まで1週間を切っていても、地域によっては間に合います。エアクロドレスは14時までの注文で最短翌日午前中に届く地域があり、届く早さは3つに分かれています。

届く目安地域
翌日午前中岩手・宮城・山形・福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・富山・石川・福井・山梨・長野・岐阜・静岡・愛知・三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良
翌日午後以降青森・秋田・和歌山
翌々日以降北海道・鳥取・島根・岡山・広島・山口・徳島・香川・愛媛・高知・福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄

天候や繁忙期で遅れることもあるので、注文画面で郵便番号を入れたときに出るお届け予定日を確かめてから決めてくださいね。

気をつけたいのは、受け取り日の指定です。レンタル期間は受け取る日から数え始めるので、早く受け取りすぎると式の前に返却期限が来てしまいます

当メディアのおすすめは、手配そのものを式の2週間前までに済ませておいて、受け取り日は式の3〜4日前に指定しておくこと。届いてから試着して、足りない小物に気づいて買い足す時間がとれて、式当日もレンタル期間の中に収まります。

60代が親族として出る結婚式でよくある質問

60代が親族として出る結婚式でよくある質問
60代が親族として出る結婚式でよくある質問

ここまでで触れきれなかった、立場や場面ごとの疑問をまとめました。祖母・パンツ・平服・和装の4つは、どれも「新郎新婦のお母さまより一段控えめ」をそのまま当てはめられます。

姪の式に絞った選び方は60代女性向け|姪の結婚式におすすめの服装の選び方!親族だからこそ気をつけたいマナーとはにまとめています。

孫の結婚式に祖母として出るときは何を着るか

祖母の装いは、新郎新婦の両親より控えめにする、という一点で各媒体が一致しています。結婚スタイルマガジンも、フォーマルの有資格者の解説も、着物の専門店も同じです。そこから先は、次のように分かれています。

説明のしかた祖母の格
両親の格に合わせる両親が正礼装なら、正礼装か準礼装
おじ・おば・いとこと同じ扱い準礼装から略礼装
和装で紋の数を下げる母親が五つ紋の黒留袖なら、祖母は三つ紋

和装で数字が示されているのは分かりやすいところ。谷本つくし氏は、母親が五つ紋の黒留袖を着るなら祖母は三つ紋の黒留袖にするなど、格式を少し控えめにするのが望ましいとしています。紋の数は多いほど格が高くなるので、1段下げれば控えめになるわけですね。

もうひとつ、祖母の立場だけに書かれている配慮があります。同じ解説は、高齢の場合はマナーにこだわりすぎる必要はなく、長時間におよぶ結婚式では体に負担がかからない装いであることも重要だ、としています。体調に不安があるなら、そのことを先に伝えて、親族で相談してしまって構いません。

パンツスタイルで親族の式に出てよいか

親族の式にパンツスタイルで出ることはできます。日本フォーマル協会は公式サイトの質問集で、一般的にはスカートのほうが格が高くなるとしたうえで、素材やデザインを吟味すれば準礼装から略礼装として着用できると答えました。条件に挙がっているのは、エレガントな装いになるよう心がけることです。

60代には実用的な選択肢でもあるんです。東京ソワールは弔事向けの解説のなかで、パンツスタイルは寒さ対策になり着やすさの点でも高齢の方にすすめられると書いています。脚もとの冷えや、和式のお手洗いが不安な場合にも助かる形ですよね。

選ぶときは、ジャケットを合わせて、フォーマル素材の濃い色にすること。仕事で着ているパンツスーツの流用は避けて、フォーマル用に作られたものを選びましょう。結婚式でのパンツドレスのダメな例|失敗しない選び方と小物使いに外しやすい点をまとめています。

「平服で」と案内されたらどうするか

招待状に「平服で」とあっても、親族はフォーマルな装いのままで問題ありません。平服はふだん着のことではないからです。日本フォーマル協会は、形式にこだわらない結婚式や二次会、「平服指定」のパーティーを、3つあるドレスコードのいちばん軽い段に置いています。

ただし、親族はゲストを迎える側です。谷本つくし氏は、平服指定でも迎える側の立場なら親族の服装マナーにのっとってフォーマルな装いを選ぶほうが安心だとしています。結婚スタイルマガジンも同じ立場です。

迷ったら、ジャケットを持っていって現地で調整するほうが確かです。会場に着いて周りが軽装なら脱げばよく、逆は取り返しがつきません。

和装を選ぶなら何を着るか

叔母の立場なら、色留袖か訪問着を選ぶ方が増えています。ゼクシィは、おばの和装について正礼装の黒留袖も問題ないとしたうえで、最近は色留袖や訪問着も人気だとしています。

黒留袖を選ぶ場合に気をつけるのは紋の数です。紋は五つ紋・三つ紋・一つ紋・紋なしの順に格が下がります。新郎新婦のお母さまと同じ五つ紋でも問題ないとする説明と、1段下げるのが望ましいとする説明の両方があるので、迷うなら新郎新婦かご自身のきょうだいに確かめておきましょう。

そもそも和装が要る式なのか、という点も見ておきましょう。

リクルート ブライダル総研が2024年4月2日から5月27日に郵送法で行い、前年度に挙式や披露宴をした3,656人分を集計した「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」の全国推計値では、神前式は15.2%にとどまり、キリスト教式46.9%・人前式36.7%が大半を占めていました。和装で出るかどうかは、式のかたちを聞いてから決めても遅くありません。

和装は当日の支度と着席の負担が増えるぶん、洋装なら身軽に動けます。格がそろっていれば洋装と和装が混ざっても構わないので、体の負担が気になるなら留袖ドレスとは?2つの意味と黒留袖の代わりになる洋装の選び方で、洋装で同じ格を出す方法をまとめています。

まとめ

まとめ
まとめ

60代が親族として出る結婚式の服装は、その式で自分が母・叔母・祖母のどれかを決めるところから始まります。母親以外なら準礼装が目安。上限は新郎新婦のお母さまの装いに合わせて決まります。

あとはクローゼットの1着を判定表に当てはめるだけ。弔事で着てきた黒も、ジャケットとコサージュを足せば親族の席に出られますし、入学式のスーツは色さえ濃ければそのままで大丈夫です。

足りないものが分かったら、買うか借りるかを出番の回数で決めましょう。

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    60代女性にふさわしい服装スタイルと選び方

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    監修者

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